アーキテクチャの生態系を読んだ
友達から聞いて買いました。消化中。
山形浩生氏が、当初ブログに否定的展望をもっていたが現実は違っていた。という話を例示する著者。しかし今度は著者がTwitterは日本であまり受け入れられないだろうと予測している(2008年当時)。2010年の今から見れば、図らずもまさにアーキテクチャの進化を予測する困難さを示しているようで面白かった。
blogがまだウェブログとかブロッグとかいわれていた頃、技術的には新しいのものではないという理由でその価値に懐疑的だったひとも結構いた。けど実際には技術というよりはユーザビリティーの革新性から日本でも今では完全に一般化している。Twitterについて言えば、2008年11月のアメリカ大統領選や2009年6月のイランの選挙を経て日本のマスメディアでも露出が大きくなった状態については、本書もすこし予想がズレた結果になっている。
生態系の進化について考えるときに、まず突然変異があり、そのあとそれらが複雑な環境によって機能主義的に淘汰・存続してくという二段のプロセスを分けて考えるというのは大事だなと思った。この考え方だと
A.初期段階では偶然の産物がボコボコでてきているだけなので、それらから未来の生態系を予測することなど不可能に近い。
B.にもかかわらず現在から過去を見た場合には淘汰されず存続した結果だけが前景化するので、あたかもそういう必然的な道筋があったように錯覚しがち。
というジレンマをうまく説明できる。
これを書いて2006年偉大なプログラマー達への
コンピュータ言語の次のBig Thingはなにか? X指向?Y言語?量子コンピューター?なに?
という問いに対してGuido Van Rossum(Pythonの作者)の回答が面白かったのを思い出した。
Stifflog – Stiff asks, great programmers answer
Sorry, I’m not much of a crystal ball person. I predicted CGI about 5 years after it had been invented. :-)
ごめん、占いはヘタなんだよ。僕はCGIが考案されるのを、その5年後に予測したことがあるしね。 キリッ
Posted: May 10th, 2010 | Author: yamakk | Filed under: 技術, 本 | Tags: architecture, ecosystem, society, web, www, 本 | No Comments »